花と緑で心も体も元気に
園芸福祉実践講座
第4回目

2005年10月23日

まちづくりに活かす園芸福祉
長野県の園芸福祉の活動は、かなり遅れています。
三重県では、園芸福祉大会が既に5回開かれるまでになっています。茨城県の下妻市では老人保健施設で園芸療法を取り入れたのをきっかけに、全県での癒しの郷づくりに取り組んでいます。岐阜県でも県の取り組みとして初級園芸福祉士の養成講座を開催しています。
今回の講座が、長野県内での取り組みを進める機会になればと考えています。地域のリーダーとして取り組みをひろげていただきたいと考えています。

今日は、長野駅東口で住民を巻き込んでの花壇づくりに取り組んだ、ガーデンデザイナーの越さんと長野県園芸福祉研究会の藤田先生に県内の活動を紹介していただきました。

後半は、秋植え球根(ラナンキュラス)の植え付けと,土づくりについて実習しました。
■長野駅東口住民花壇の取り組み■       越 洋子さん(越ガーデンデザイン事務所) 
●区画整理真っ最中の駅東口周辺は、賛成派反対派と街中の住民がばらばらになっている地域だ。そこの「北中を良くする会」の女性たちが、都市整備局の呼掛けもあり、空き地を使って花壇作りをしようということになった。
 会員の北中をおしゃれな町にしたいという願いもあり「イングリッシュガーデン」にすることになった。全長80メートル幅4メートルの広大な土地にガーデンを作ることになった。毎年植え替えしなくてもいいように宿根草でいこうという事になった。1200株ほどの苗を地域の団体に呼掛け、住民総出で植えた。
 住民が担う場合は時間をかけて少しずつ整備していく方法がいい。1年草を一気に植えて、毎年植え替えるということは、資金のない場合には難しい。最初はさびしいように見えるが愛着が沸くように少しずつ育てていくことが大切だ。
 植え着くまでは水遣りを各団体で当番を決めて実施した。この春からは雨水だけで水遣りをしていない。それでも育つようなものを植えている。
 総出でやるのは春と秋の年2回、あとは北中を良くする会の人がちょとした手入れをしている。行政の都市整備局も協力してくれている。
↑東口の計画道路の歩道部分に空き地ができていた。将来は緑道として整備する箇所だ。 ↑空き地のスペースのままになっていた。
↑3年目でこのように豊かな花壇に育ってきた。 ↑おしゃれなイングリッシュガーデンになった。
↑整備局で用意した苗。 ↑老人会や育成会にも呼掛け一斉に植えた。

●この活動を通して感じたこと
 花を通じて、今まで知らなかった人同士が自然と会話ができるようになる。
 大勢の人の参加を得るには、これからは、知識のある人のサポートも必要になってくる。
 これからは、できたものを管理するという愛護会的な活動あから、公園などのデザインや
 公園作りそのものにも関わっていく時代になる。障害者も交えて公園をホスピタリティーの
 場所にしていくことも行われている。
 公共の場を園芸を通して交流の場に変えていくことが重要になっていく。
■駒ヶ根市の園芸福祉活動を紹介       藤田 政良さん(長野県園芸福祉研究会会長)
●みんなで花壇作りをしましょう。駒ヶ根市の活動を紹介します。
 地域で、デイサービスで、老人ホームで、病院でとそれぞれのところで活動が進められています。
いづれも、みんなでできることを考えて行っています。ガーデニングは手段です。長野にあった園芸の方法を勉強し、リーダーとして活躍してもらうよう期待しています。
↑駒ヶ根市社協が取り組んでいるふれあい花壇。 ↑市民が参加しての公園作りが行われている。園芸福祉士の人が中心になっている
↑ガーデニングも外向けに一緒に楽しむというオープンガーデンが生まれている。 ↑老人ホームでの活動も一緒に勉強しながら取り組んでいます。
↑病院での園芸療法、園芸活動を進めている。できるだけ協働でグループで行うことを考えている。 ↑宿根草は花摘みをすればするほどいい花が咲く。
■実習として、ラナンキュラスを植えました。
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