さまちゃれ―泣かないでマンドリン―

2002年 11月2日 松竹相生座で公開



人と人とのつながりが生きる勇気と希望を与えてくれた


っていて無口、動作ものろい亜由美はしだいに友達から敬遠されあげくのはてには、教室で彼女の背中で≪ぶたまん≫などと書かれた飛行機が飛んでくるまでになった。じっと下を向いて耐える亜由美。そんな彼女にも等しく夏休みはやってきた。これでしばし地獄から逃れられる・・・。
 誘われるまま彼女は老人施設にボランティアに出かけていった。
新緑美しい初夏。中2の亜由美は登校途中、無惨に踏まれた小さな花に手をかけておこしてやるような優しい子だった。が、それは執拗なイジメにあっている彼女の孤独と無関係ではなかった。
不安で一杯だった亜由美を優しく受け止めてくれた、ホームのお年寄り達。
 戦中戦後をそれぞれ生き抜いてきたお年よりたちは、その苦労が人への優しさとして生まれ変わっていた。
休み明け、また地獄が亜由美を襲う。母克子がいじめについて知り、愕然としたのは秋も深まったころ。克子は学校へと走るがいじめはすぐにはなくならない。 亜由美はそこで半分痴呆の民さんと、とくに仲良くなった。
 民さんは空襲でなくなた娘と勘違いするほどに亜由美をかわいく思う。そんな民さんを亜由美は慕い得意なマンドリンを奏でる。
再び熱い夏がきた。
 サマチャレに参加し施設のお年よりの前でマンドリンを弾いているうちに、いじめグループと渡り合っても堂々と、自分を主張できるまでになった亜由美がそこにいた。
そして・・・。